【連載】お寺のDXのはじめ方
366はお寺のDXを推進する事業をやっています。この連載では、お寺のDXのはじめ方について説明していこうと思います。
DXの目的は、寺の業務(寺務)を効率化して、負担を減らすこと。そして、本来やるべき業務に使う時間をもっと増やすことです。
たとえば、電話。今は人が出るのが当たり前ですが、電話が鳴るとそれまでやっていたことを中断して電話に出なければなりません。電話と言うのは、非常に非効率なコミュニケーションなのです。
その上、かかってくる電話は、お檀家さんからのご相談や、法事の申込から、営業電話、果ては迷惑電話や無言のワンギリまで様々。できることなら、電話業務を外注したい。でも、電話番を置くほどの電話の本数があるわけではない。外部の電話秘書サービスを使う費用を払う余裕もない。結局は、受ける寺院スタッフの負担に頼るままになっている。というのが、実情ではないでしょうか?
たとえば、電話の受電はAIにやらせます。AIが電話を受けて、その内容をメールに書き起こして送ってもらいます。AIの受電音声はとても自然で、AIが対応していると気づかない人もいるほどです。受ける側は落ち着いて対応することができます。
AIが電話を受けるなんて、まるで未来のいる話のようですが、実は既にもう実現しています。
iPhoneをお持ちの方であれば、留守番電話の書き起こし機能があります。アンドロイドにも同様の機能があります。電話に出ないでいると、留守番電話が起動します。そして、相手が話すことがそのまま文字となって画面上に表示されます。画面を見て、もし急いで出ないといけない相手であれば、すぐに電話に出ることもできます。使ったことのない方はぜひいちど使ってみてください。
将来的には、AIが内容を判断して人間を呼び出したり、営業電話ならそのままお引き取りいただいたり、といった対応もすることができるようになるでしょう。そうなれば、お寺にとって電話を取ることの負担がかなり減るでしょう。そうなった時には「なんで今までこれができなかったんだ」と思うようになるかもしれません。

コメント